お祭りの裏で、静かに進んでいること
38,915円→69,744円
日経平均株価。1989年末につけた史上最高値と、2026年7月3日の終値。ほぼ倍の水準です。
NISA口座は空前の勢いで増え、街は日本株ブームのお祭りムードに包まれています。このお祭りの裏で、静かに進んでいることがあります。陰謀めいた話ではありません。経済学の教科書に載っている、歴史が何度も記録してきた現象です。
国は、抱えた借金を帳消しにすることはできません。けれど、借金の「実質的な重さ」を軽くすることはできます。物価が上がり続け、金利がそれに追いつかない状態が続くと、借金の価値は目減りしていく。経済学では「金融抑圧」と呼ばれています。
出典:日本経済新聞(日経平均終値。2026年7月3日 終値 69,744.07円)。数値は制作時点のもの。
歴史は、何度も記録してきた
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戦後の英国・米国
金融抑圧によって、戦争の借金を数十年かけて実質的に圧縮した。
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1946年、日本
預金封鎖と新円切替が行われた。
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終戦後の数年間
物価はおよそ百倍規模に跳ね上がった。
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戦時国債
国民が買い支えた国債は、額面はそのままに、実質的な価値をほぼ失った。
借金は消されなかった。
お金の価値のほうが、消えた。
株高と物価高は、お金の価値が下がっていく局面で同時に起きやすい現象です。いま起きていることを理解する鍵は、株価の数字ではなく、こちら側にあります。——難しい話はここまでにして、財布の中の1000円札で考えてみます。
同じ1000円札で、買えるものが変わった
まず、お昼の定食ランチで並べてみます。
500円→1,000円超
お勤めのお昼にたのむ定食ランチの目安。かつてはワンコインで足りた一食が、いまは1000円札を出しても、おつりが心もとない。
同じ喫茶店のコーヒーなら、1000円で飲めた杯数は9杯→3杯→1.5杯。
祖母が働きはじめた頃、母が新入社員だった頃、そして東京で働くいま。
出典:喫茶店コーヒー=週刊朝日編『値段史年表 明治・大正・昭和』(1971年 約106円・1988年 308円)、総務省 小売物価統計調査(2025年8月 東京都区部 620円)。定食ランチは外食の一般的な目安。数値は制作時点のもの。
年収は同じ場所、ランチ代は倍になった
この四半世紀、給料はほとんど動いていません。動いたのは、暮らしのコストのほうです。
467万円→478万円
民間の平均給与。1997年のピークと、2024年の過去最高。四半世紀あまりかけて、額面はほぼ同じ場所に戻っただけ。
500円→1,000円超
お昼の定食ランチの目安。給料が同じ場所に戻る間に、一食の値段はおよそ倍になった。
出典:国税庁 民間給与実態統計調査。定食ランチ価格は外食の一般的な目安。数値は制作時点のもの。
変わったのは、円の価値のほう
50年ほど前、年収450万円の相手と家庭を持つことは、確かな安定でした。当時の平均給与のゆうに2倍。ステータスと言ってもよかったかもしれません。
けれど2026年、同じ「450万円」で二人分と、いずれ子どもの分の家計を回すとすれば——1000円札の実力が示すとおり、体感としては、かつての200万円以下の家計をやりくりする感覚に近づきます。
彼の価値が下がったのではありません。円の価値が下がったのです。
結婚する道も、しない道も、どちらも良い道です。ただ、どちらを選んでも困らない「自分名義の土台」があると、選ぶことがもっと自由になります。
10年後を見通す、三つの目
初任給からの10年
家計とライフプランの設計。最低限の金融リテラシー(元証券のたか子)。
最初の住まいから始まる分かれ道
借りる・買う・住み替える。一級建築士の目利き(スマイルひとし)。
視界を広げる
暮らしと働き方の選択肢。英語とリトリートの入口・準備中(さち子)。
私の10年後を見る目、ここからはじめる
住み替えの分かれ道を解く短い動画と、買う前・借りる前・選ぶ前に見る各10項目のチェックリスト(PDF)をお届けします。10年後の残高を変えるのは、選ぶ前に見る目です。
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主催:常見研究所
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